まっすぐな目で見つめられて 心の自由が利かないの
恋をするって言うのとはちょっと違うけど わりとドキドキした
Capsule : dreamin dreamin
「私ね、セシルのことがすきなの。」
瞬きが出来るか出来ないくらい前に、思い出したようにこんなことを言われた。
突然、鈍器かなんかで頭を殴られたような、そんな気がした。
「どきどきして、暖かい気持ちになるの。」
身を寄せる様は猫のよう。
俺の腕を枕にすると、あいつの虚ろな眼は天井を見つめている。
「でも、恋をするっていうのとは違う気がするの。」
「ふーん・・・。」
曖昧な返事をする。
平静を装うが、割といっぱいいっぱいな自分が痛い。
数刻、静寂で満たされる。
ぼんやりとした思考の中、さして面白みのない天井を見つめていたが、
俺の視界がフッと人影で暗くなる。
影の形をなぞらなくても、さっき見ていた光景だ。確認の必要もない。
「でも、エッジのこともすきなの。」
なんだ、また鈍器かなんかで頭を殴られたような、そんな気がした。
「どきどきして、頭も胸もいっぱいになって・・・苦しくて熱くなる。」
意図してそういうふうに振舞っているワケじゃないから、なおさらタチが悪い。
「これも、恋をするっていうのとはちが・・・。」
あいつの話を遮って、眉間よりやや上を指先ではじくと、小さく声をあげてきつく目を閉じた。
その腕をつかんでまた引き寄せて、声にならないくらい密やかに息をついて。
きょとんとした目をしたあいつの、耳障りな口をふさいでしまえれば、どんなに楽か。
あまりにも真直ぐな目だ、そもそも心の自由なんざとうに利かない。
気づいたとき、あんまりなことしたって後悔させてやるから。
答えがわかるまで、いくらでもくれてやる。
「自分で考えろ、バカ。」