鳥の声が聞こえてて、淡い朝の光が入りこもうとしてて。
そんな穏やかな朝なのに、頭痛が酷い。
頭の中でけたたましく警鐘が鳴っている、そんな感じがする。
そういえば、お酒を飲んだ次の日によく、
飲みすぎた、頭が痛い・・・って君が言ってた気がする。
遠い昔に出した手紙が今になって見つかったような、
あぁ、これがそうだったんだ・・・っていうような。
あの時の君の気持ち、少しだけわかった気がする。
あと、昨日着たドレスをずっと着て寝ていたみたい。
頭痛の後押しするような思いがこみ上げる・・・皺だらけだ、きっと。
体もちょっと痛い気がする。
でも、その痛みを包み込むように、君の腕が私を捕えてた。
ずっとこうされていたから、体が痛いのかな・・・そんな気がする。
眠っている間も離さないでいてくれたんだ・・・なんて、
ふと考えたすぐに顔が熱くなったので、すぐにかぶりをふる。
その一連の仕草はとても可笑しなものだろうと思うけど、
至って私は真剣だったからこそ、可笑しなものだったに違いない。
穏やかな寝息をたてている君が、何も知らない顔で眠ってるのが
なんだか不公平な気がした。
抱きすくめられた腕の合間から、ふと遠くを見ると、
王子様が着ていた華やかな装飾の上着が、床に無造作に脱ぎ捨てられてる。
こんな王子様はきっと、この世界に一人っきりだ。
言葉はぶっきらぼうなくせに、私の表情も、反応も、些細な動きも見落とすことがなくて。
一緒にいた頃に "バカみたい" って言ったら、 "お前に関しちゃしょうがねぇ" だなんて。
子供のように笑う方法を知ってる、したたかな大人。
目が覚めても、そこにまだ君がいたなら・・・とは、思ったけど。
ホントに君がいるとは思わなかった。
いて欲しかった半分、いて欲しくなかったが半分。
ううん、やっぱり "いて欲しかった" が、たくさん・・・なのかな。
眠ってる君の頬へ、静かに指を伸ばして
その瞳が開かないことを願いながら、閉じた瞳を見つめる。
こうやって君を見つめるのも、きっとこれが最後――
不意に何かが頬を伝った。
涙だとはすぐに気づいた、何故泣いたのかはわからなかった。
苦しい息が零れ出す・・・だめ、だめなのに。
ずっとそばにいて――
夜に伝えてしまいそうになった。
互いに叶えられそうにない願いを、求めてしまいそうになる。
涙も、声も、何もなかったように殺してしまおう。
これ以上を求めてしまいそうになるから。
君のぬくもりから這い上がるように、ゆっくりと私の体を捕える腕を解いたのに。
単純に強い力で引き寄せられる、抱きすくめられる。
たった一つ忘れてた、大事なこと。
そうだった、この人は "諦めること" を知らない人だった。
王子様の反撃はここから――――